汚れた血 MAUVAIS SANG (1986年:フランス )
監督:レオス・カラックス
脚本:レオス・カラックス
撮影:ジャン・イヴ=エスコフィエ
編集:ネリー・ケティエ
音楽:ベンジャミン・ブリテン
挿入歌:デヴィッド・ボウイ、シャルル・アズナヴール、セルジュ・レジアニ
キャスト:ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、ミシェル・ピコリ、ジュリー・デルピー、ミレーユ・ペリエ、ハンス・メイヤー、キャロル・ブルックス、セルジュ・レジアニ
学生時代、アレックス三部作の中でこの作品が一番好きなはずだったが、今回観た感じだと『ボーイ・ミーツ・ガール』の方が好きな感じだ。
ジュリエット・ビノシュよりもジュリー・デルピーの方が好きなのは相変わらずで、それでも、前髪をふーっと吹き上げるビノシュは可愛らしかった。(ミシェル・ピコリを含め)みんな若い!と思わせる中、ドニ・ラヴァンだけが今観ても新鮮な魅力に溢れており、じっと見つめる瞳や引き締まった口元などは、何故学生時代に自分はドニ・ラヴァンを見た目が良くないなどと思っていたのかと呆れた。
汚れた血は若い役者陣にミシェル・ピコリなどベテランを加え幅を持たせ、エンターティメント性も作品に盛り込み、一作目とは異なる映画になっていた。初のカラー作品でもある。
やあ、君が見える。君に言いたい。もし君とすれ違ってしまったら、世界全体とすれ違うことになる。こんな人生ってあるか?僕が愛しているのは君なんだ。君にも今に分かる…。切るよ。
といった魅力的な口説き文句がある一方、前作に続き、
僕の人生は乱雑に書きなぐった下書きだ。何という混沌…。まるで海原の中で崩れていく波のうねりのようだ。決して浜や岩にたどり着けない…。生きる術を学ぶ時間はもうない。もっと生きるつもりだった。まだ何年も何年も。人生を整えるために。
といった若者にありがちな絶望感もあり、一作目と同じく、やはり20代に観るべき映画としかいいようがない。
デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」を使ったアレックスの疾走シーンは素晴らしい。その後で、
信じる?疾走する愛を。永遠に疾走し続ける愛を。
と来られたら、信じるよーーー!としか言えないと思う。
では、「モダン・ラブ」の名シーンを。ドニ・ラヴァンは実に肉体で魅せる役者である。
Mauvais Sang 1986 - Modern Love by David Bowie scene HD
ジュリー・デルピーの魅力が感じられる動画の方を選びました。
Mauvais Sang (1986) - Leos Carax scene