ほくほくほんだな棚卸し

今見た作品、過去見た作品、そのうち見たい作品、棚卸し作業。

最強のふたり Intouchables (2011年製作:上映日:2012年09月01日:製作国 フランス)

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監督・脚本:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ

撮影監督:マチュー・ヴァドピエ

編集:ドリアン・リガル=アンスー

美術:フランソワ・エマニュエリ

音楽:ルドヴィコ・エイナウディ

キャスト:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、オドレイ・フルーロ、アンヌ・ル・ニ

 

ピアノのテーマ音楽が良かった。夜のような、明け方のような。そこにフィリップが好きなクラシックやドリスが好きなブラックミュージックが混じる。音楽のセンスがとてもいい。

 

首の付け根から下が不自由なフィリップは介護人を探して面接している。しかし誰もピンと来ない。だが、音楽の趣味も絵画の趣味も合わないのに、一目惚れのように、その場に相応しくないようなドリスを気に入ってしまう。

 

最初は介護も上手くいかないが、少しずつドリスは学んでいく。学ぶと言う姿勢は彼の一番の美徳なのだ。そこにこの映画の希望がある。

 

コミカルに進んでいく。しかし、フィリップが体が辛くて一人で過ごせない夜がある。そんな時に

心配ない。ゆっくり呼吸をして。大丈夫

こう言ってくれる人が一人でもいるのは感動的だ。外に連れ出して喋り相手になってくれる人がいる安心感。

 

ドリス役のオマール・シーが何しろ完璧なまでに顔立ちが美しい。その美しさは内面を写し出したかのようだ。

 

一番好きなシーンは、フィリップの誕生日で、お堅いクラシックのコンサートの後、フィリップとドリスがお互いに好きな曲や歌を流すというシーンだ。フィリップは、ヴィヴァルディの四季から夏、無伴奏チェロ組曲。四季の春を流した時には、職業安定所の音楽だ!とドリスは言い出す始末。一方で、ドリスは自分のiPhoneをスピーカーに繋げてアース・ウィンド&ファイアをかけて踊り始める。周りの客達、一緒に住んでいる助手達も誘う。一転してそこはディスコフロアに。この映画で一番光を感じるシーンである。

 

フィリップは文通相手のエレオノールに想いを寄せている。そんな彼女との初顔合わせ、すれ違いから二人は会えない。傷ついたフィリップはドリスを連れて、飛行機をチャーターしパリを離れる。その地で二人はパラグライダーに乗る。初体験のドリスは恐がり、体が健康な時から乗っていたフィリップはノリノリ。そこでバックにかかるのが雰囲気たっぷりのジャズ。かっこいい。

 

帰ってきたドリスを待っていたのは、スラム街に住む悪い仲間の中で何かヘマをやらかした弟。フィリップは、例え道で会ったとしても君の弟だと解ると言うが、ドリスとは血の繋がってない弟だった。ドリスは身の上を語り、ドリスは本当の名前ではなく、あだ名が呼び名になったのだと言う。

 

ドリスがフィリップの元を去る時には、次の介護人の面接が始まっていた。

 

フィリップの助手のイヴォンヌも良い役者だった。暖かい人柄が滲み出居る演技だった。

ドリスが去った後のフィリップは太陽を失った月のよう。イヴォンヌの外出もあり、新しい介護人はフィリップと上手くいかない。

機嫌が悪いだと、馬鹿め。

 

古巣に戻ったドリスは仲間たちと一時の再会を喜ぶが、職探しもなかなかだ。そんな時、フィリップに一人で寝付けないあの夜がやってくる。帰宅していたイヴォンヌはドリスを呼び、ドリスは郊外のホテルへフィリップを連れ出す。フィリップはドリスに髭を剃って貰い彼のおかげで笑顔を取り戻した。翌朝、ドリスが予約したホテルのレストランでフィリップを待っていたのは彼の文通相手エレノアだった。

 

 


The Intouchables - Dance Scene [HD 1080p]

 


Ludovico Einaudi - Una Mattina